これまでフレイルと歩行についてお話ししてきました。
歩行以外にもフレイル判定の運動機能として筋力を指標とすることもあります。
今回は筋力測定の中でも簡便でスポーツテストなどで多くの方は経験したことのある握力についてお話しします。
まず測定方法の一例として①両足を肩幅に開いて立ち、②グリップの握る位置を握りやすいように調整する、③測定時は立位とし、全力で握る、④利き手で2回測定します。
その際の注意点として腕は上体から離れすぎず、また腕が上体についたり振り回したり、膝を曲げたりしない、②2回の測定値の高い方を記録とします。
握力とフレイルの関係として「フレイル判定・診断の提案」(J-CHS)では男性が26kg未満、女性が18kg未満を基準としています。
握力は脚や体幹などのより大きな部位の筋力と関係が深く、個人間の全身の筋力の優劣を相対的に反映しているとも言われています。
スポーツ施設などで定期的に測定してみてはいかがでしょうか。
次回はフレイルと栄養についてお話しします。
島根大学医学部附属病院:川本晃平