第1回~人間と歩行

 

人間は地球上で唯一直立二足歩行を行うことのできる動物です。

 

脚を交互に降り出し、体幹や上半身をうまく連動させて絶妙なバランスをとりながら前へ進むことができます。

 

歩くためには脚だけでなく全身の連動とバランスがとても大切です。

 

最近では歩行は認知症やロコモティブシンドローム、フレイル(高齢者が活動や筋力が低下している状態、日本老年医学会が提唱)などとも深く関係していることも分かっています。

 

また体のどこかの部位が障害されるとその影響が全身へ広がってしまいます。

 

例えば変形性膝関節症で片膝が完全に伸びない状態でまっすぐ歩こうとするとどうなるか想像してみてください。

 

脚の長さに左右差が生まれるため、体幹は傾き、肩が下がり、首を傾かせた状態で歩く方もおられます。

 

その状態のまま長期間歩くことで他の部位に負担がかかり痛みを引き起こしてしまう可能性が高くなります。

 

多くの人は自分の歩き方のどこが正常歩行と異なるのか、どこの部分のバランスがとれていないのか気づきにくいと思います。

 

歩行分析では最新の映像処理技術を用い、なんとなくここがおかしいという感覚的なものではなく、軌道や具体的な歩幅の違いまで細かく分析することができます。

 

次回は歩行と認知症の関係についてご紹介します。

 

島根大学医学部附属病院:川本晃平