ストレートを多投するピッチャーはケガしやすい?

ストレートを多投するピッチャーはケガしやすい?

 

投手は速球を多投する本格派と変化球を多投してバッターを抑え込むタイプに分けられると思います。

 

ストレートを投げる割合が高いと、肘にかかる負担が大きくなり、ケガにつながりそうな気がしますが、実際どうなのでしょうか?

 

海外の研究でメジャーリーグ選手の中で肘の内側をケガして靱帯再建術を行った投手とそうでない投手に分けて試合中のストレートの割合を比較したものがあります。

 

ストレートを多投するピッチャーはケガしやすい?

 

肘の手術をした選手は手術後では比較の対象にならないので、ケガをする2年前の投球データを参考にしています。

 

研究結果としては、手術したグループではストレートの割合が約47%であり、投球の約半分がストレートでした。

 

その一方で、ケガをしていないグループのストレートの割合は39%であり、両者の間には統計的な差があったようです1)。

 

球種の中でストレートの割合が1%上がると肘のケガによる手術を行う割合が2%も上がるようです。

 

本格派投手にとってストレートは生命線なので、ストレートの割合を減らして投球スタイルを変えるのは難しいと思いますので、全身のコンディショニングを整え、できる限り肘への負担をへらすことが重要だと思います。

 

参考文献
1) Keller RA et al:Major League Baseball pitch velocity and pitch type associated with risk of ulnar collateral ligament injury. J Shoulder Elbow Surg,2016

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

第32回~ノルディックウォーキング

第32回~ノルディックウォーキング

 

ノルディックウォーキングをご存知でしょうか?

 

元々はクロスカントリースキーの選手達が、夏の間の体力維持・強化トレーニングとして行なっていた「スキーウォーク」を、ポールを使った簡単な歩行運動として紹介されたのが「ノルディックウォーク」です(日本ノルディックウォーキング協会ホームページ参照)。

 

ノルディックウォーキングポールという2本の専用のポールを使って地面を押し出すようにして歩きます。

 

このポールを使った歩行は一般の歩行に比べてより全身の筋肉を使い、さらに膝や背骨への負担が少ないことが最大の利点です。

 

そのため日頃の散歩の際に使用したり、リハビリテーションとしても活用することができます。

 

またその効果としてノルディックウォーキングを継続して行うことで足腰の筋力向上や歩行時間の短縮、バランス能力の向上といった運動機能改善の効果も報告されており、有用な歩行ツールの一つです。

 

次回はノルディックウォーキングの基本的な歩き方をご紹介します。

 

島根大学医学部附属病院:川本晃平

 

第31回~タンパク質を効果的にとるコツ

第31回~タンパク質を効果的にとるコツ

 

前回に引き続き筋肉のもとになるタンパク質について「効果的にとるコツ」を紹介します。

 

タンパク質は摂取するタイミングも重要です。

 

成長ホルモンはタンパク質の合成を増すといわれており、成長ホルモンの分泌は睡眠後1~2時間の深い眠り中や高い強度の運動をした後に高まります。

 

そのため睡眠前や運動の直後に良質なタンパク質をとるとより良いとされています。

 

またタンパク質だけをとればいいのではなく炭水化物(糖質)もしっかり摂ってください。

 

炭水化物をとるとエネルギーの供給を補たり、インスリンの分泌を刺激したりして、タンパク質の貯蔵が増すといわれています。

 

さらにビタミンやミネラルも体の中に入ったエネルギーを効率良く使うために必要な栄養素です。

 

タンパク質をうまく筋肉の組織に合成するのを手伝ったり、体内に取り込まれた糖質をうまくエネルギーへ変換したります。

 

次回は歩行補助具についてお話しします。

 

島根大学医学部附属病院:川本晃平

 

JJ1月号に掲載!

JJ1月号に掲載!

 

11月22日発行のJJ1月号でアトリが紹介されました!

 

「素敵サロンで今の自分よりワンランクアップ!」というコーナーで紹介されています♪

 

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お気軽に施設見学へお越しください!

 

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子どもの運動発達 「投げる動作」

子どもの運動発達 「投げる動作」

 

今回は「投げる」動作についてお伝えします。

 

子どもの運動発達 「投げる動作」

引用:観察的評価法による幼児の基本的動作様式の発達

 

上の図は「投げる動作」を発達の段階に応じてパターン1からパターン5まで示したものです。

 

パターン1は

 

・肘を伸ばす動作のみで投げる

 

・足のステップがなくその場で立って投げる

 

・上半身の捻じり、体重移動がない

 

という特徴があります。

 

パターン2は

 

・投げる腕と肩を後方へ引き上げ反対側へ捻じる

 

・足のステップがなくその場で立って投げる

 

・体幹を反対側へ捻じるが体重移動がない

 

という特徴があります。

 

パターン3は

 

・投げる腕と肩を後方へ引き上げ反対側へ捻じる

 

・投げる側の足のステップが出る

 

・体幹を反対側に捻じるが体重移動がない、もしくは体重移動がある

 

という特徴があります。

 

パターン4は

 

・腕の振りに鞭打つようなしなりがある

 

・投げる側と反対側のステップが出る

 

・体幹もしくは骨盤を捻じりステップ足に体重移動する

 

という特徴があります。

 

パターン5は

 

・ワインドアップを伴う

 

・投げる側と反対側の足の引き上げがある

 

・骨盤の捻じりがありステップ足に体重移動を伴う

 

という特徴があります。

 

発達初期では下半身からの力の伝達がなく骨盤・体幹・腕の捻じりが生じません。

 

発達段階に準じて上半身から捻じり動作が生まれ、徐々に下半身に伝達されていくのが特徴です。

 

参考文献

中村ら:観察的評価法による幼児の基本的動作様式の発達,2011

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

縦カーブはなぜあんなに曲がる?

縦カーブはなぜあんなに曲がる?

 

フォークボールでは回転数を減らすことで重力に抵抗しにくくなり、ボールが落ちるということをお話しました。

 

今日は縦のカーブボールが落ちる原理についてお話します。

 

カーブボールではストレートと反対でトップスピンがかかっています。

 

トップスピンではマグヌス効果によって下方向への力が発生し、それに重力も合わさることで下方向へ強い力が働くことになり、急激に落ちる変化が起きます。

 

縦に割れるカーブボールで有名なのがドジャースのカーショー投手だと思いますが、この投手が投げるカーブボールの回転軸は357°というデータが出ています。

 

ほぼ純粋なトップスピンがかかっているといえ、それだけボールには下方向への力が大きく働き、縦に大きく割れることができます。

 

前回お話したフォークボールは、回転数を下げることでボールに働く揚力が小さくなり、重力の自然落下によってボールが変化します。

 

一方で、縦カーブはボールにトップスピンをかけることで重力以外にもマグヌス効果が働いてボールが下方向にストンと落ちていきます。

 

カーブボールで縦の変化を大きくするためにはスピン量が多いトップスピンをかけられるかが重要になりますが、ボールの握り方は選手によって違うため、スピンの掛け方はそれぞれ異なるといえます。

 

個人的には中指を縫い目にかけてはじくようにしてリリースすると、トップスピンがかかりやすくなりますので参考にしてみてください。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

第30回~骨粗鬆症と栄養④

第30回~骨粗鬆症と栄養④

 

今回は「骨粗鬆症と栄養④」としてたんぱく質を紹介します。

 

たんぱく質の役割として主に筋肉を作る働きを促します。

 

筋肉は合成と分解を繰り返しており、筋肉を大きくするためには、運動によって分解して失われる筋肉量より、運動の刺激により合成される筋肉量が上回らなければいけません。

 

合成についてスポーツ愛好者(週に4〜5回30分のトレーニング)では体重1kgあたりタンパク質を0.8〜1.1g程度を目安に摂取することが望ましいとされています。

 

例えば体重が60kgであれば1日のタンパク質の摂取は48〜66gは必要になります。

 

さらにスポーツ選手では体重1kgあたり1.5~2g程度必要となります。

 

食事を考えると具体的には鶏のささみで100g当たり23g、納豆で16.5g、鶏卵で12.3g程度とされていることから思った以上に多くとる必要があることが分かると思います。

 

通常の食事ではどうしても十分な量をとりにくい場合は食事を3食以上に分けて食べたり、サプリメントやプロテインで補うと良いでしょう。

 

また良質のタンパク質をとるためには必須アミノ酸が含まれている肉類や魚類、卵類、大豆製品、乳製品を組み合わせて食事をとることが大切です。

 

次回も引き続き「タンパク質を効果的にとるコツ」を紹介します。

 

島根大学医学部附属病院:川本晃平

 

第29回~骨粗鬆症と栄養③

第29回~骨粗鬆症と栄養③

 

今回は「骨粗鬆症と栄養③」としてビタミンKを紹介します。

 

ビタミンKの役割として主に骨を作る働きを促します。

 

ビタミンKの1日の目標摂取量は250〜300μgです。

 

ビタミンKは納豆、海藻、緑の葉の野菜などに多く含まれており、目安としてキャベツ2枚で78μg、茹でた小松菜1株(50g)で105μg、納豆は1パック(40g)240μg含まれています。

 

特に納豆はビタミンKおよび蛋白質摂取にとても有効であり、納豆の消費量と骨折の発生率は反比例の関係にあるとの報告もあります。

 

注意する点として血栓症(血管内に血の塊ができ血流が閉塞される)や塞栓症(血液によって流れてきた異物(血栓)が血管を塞いでしまう)の予防や治療に用いられる薬であるワルファリンカリウム(ワーファリン○R)を飲んでいる方はビタミンKがその効果を減弱させる可能性があります。

 

そのためこれらを服用されている場合は必ず医師に相談してください。

 

ビタミンKの摂取は骨の健康に密接に関わっているため効果的に摂取しましょう。

 

次回は「骨粗鬆症と栄養④」として筋肉を作るのに重要なたんぱく質について紹介します。

 

島根大学医学部附属病院:川本晃平

 

クロスオーバーステップの実際

クロスオーバーステップの実際

 

バスケットボールを行うとクロスオーバーステップを行うことがよくあります。

 

では、クロスオーバーステップを行うときにどんなことを意識して実施していますか?

 

まず大事なことは

 

「ステップする方向につま先が向いているのか」

 

ということです。

 

これは最初にツイスティングをいれるということです。

※ツイスティングについては以前の記事をご覧ください。

 

ツイスティングを行うことでつま先や膝は進行方向を向くことになります。

 

その結果、クロスオーバーステップのメリットをより活かすことが出来るだけでなく、ケガを防ぐこともできます。

 

ここまで聞くと「ツイスティングをしてからステップすることが良いこと」ということがお分かりいただけると思います。

 

しかし、疑問も出てくるのではないでしょうか。

 

ツイスティング→ステップよりもいきなりステップの方が早いのでは?

 

この質問はよくされます。

 

普通に考えたら行う動作が減るのでそう思うかもしれません。

 

しかし、実際はそんなことはありません。

 

先ほどもお伝えしたようにツイスティングをいれることでクロスオーバーステップのメリットを最大限に活かすことが出来るだけでなく、ケガを防ぐこともできます。

 

なぜそうのか?ということについては次回お伝えします。

 

まずは最初にツイスティングしてからステップをするということを意識して動作を行ってみてくださいね。

 

スタッフ(理学療法士):島津

 

フォークボールが落ちる原理と簡単アドバイス

フォークボールが落ちる原理と簡単アドバイス

 

今日はフォークボールが落ちる原理と投げるための簡単なアドバイスについてお話しいたします。

 

以前「ボールがホップする?マグヌス効果について」でお話したようにボールにバックスピンがかかると圧力差によって揚力が生じ、ボールに浮き上がる力が加わります。

 

一方、フォークボールはボールを挟んで投げることにより、ボールの回転数が著しく減少します。

 

ストレートが1秒間に30回転ほどするのに対してフォークボールは10回程度しか回転していないそうです。

 

回転数が少ないことによってボールに揚力が生じにくく、ボールが重力に抵抗することができずに自然に落下していきます。

 

質の高いフォークボールを投げるためにはいかに球速を下げずに回転数を抑えた投球をできるかがポイントになります。

 

フォークボールが落ちる原理と簡単アドバイス

 

リリース直前に手首や指が動いてしまうとボールに回転がかかってしまうので、手首・指を固めて投げる必要があります。

 

手指の力をボールに伝えられない分、より股関節・体幹・腕の連動性が求められます。

 

肘下がりのリリースでは肘から先の部位しか使うことができず、球速を保つことができません。

 

手指を固めた状態で球速を落とさずリリースするためには、体全体がしなり(横から見てCカーブを形成した位置)から肘より先が伸びてくるリリースが必要となります。

 

この体の使い方はフォークボールに限らず、ハイパフォーマンスを発揮するために必須の動作となりますので、ぜひチェックしてみてください。

 

スタッフ(理学療法士):芹田