子どもの運動発達 「走る動作」

子どもの運動発達 「走る動作」

 

今回から子どもの7つの動作の発達についてお伝えします。

 

まずは「走る動作」についてお伝えします。

 

子どもの運動発達 「走る動作」

 

引用:観察的評価法による幼児の基本的動作様式の発達

 

上の図は「走る動作」を発達の段階に応じてパターン1からパターン5まで示したものです。

 

発達が未熟なパターン1は

 

・腕の振りがない

 

・足の裏全体で接地する

 

・上方向へ蹴り出す

 

・足の蹴り上げがほとんどない

 

・太ももの引き上げない

 

という特徴があります。

 

パターン2は

 

・腕の振りがわずかに生じる

 

・足の裏もしくは踵から接地する

 

・上方向もしくは前方へ蹴り出すが膝が十分に伸びない

 

・小さな足の蹴り上げがある

 

・ふともも引き上げがないもしくはわずかにある

 

という特徴があります。

 

パターン3は

 

ふとももの引き上げに繋がる十分な足の蹴り上げがある

 

という特徴があります。

 

パターン4は

 

肘が十分に曲がった大きな腕振りがある

 

という特徴があります。

 

パターン5は

 

・足の裏の外側から接地する

 

・膝が伸び前方へ蹴り出す

 

・地面とほぼ水平までの太ももの引き上げがある

 

という特徴があります。

 

発達が未熟な時はバランス能力が未熟なため、体を1つの塊として移動させるので手足の動きが生じません。

 

そこから徐々に手足の動きが生じ、上方向への蹴り出しから前方への蹴り出しへと移行します。

 

参考文献
中村ら:観察的評価法による幼児の基本的動作様式の発達,2011

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

回転軸を平行にするためのポイント(腕の角度について)

回転軸を平行にするためのポイント(腕の角度について)

 

前回に引き続いてボールの回転軸を地面と平行にするためにどうすればいいのかお話ししますが、今回は腕の角度に注目したいと思います。

 

以前「オーバースローではなぜ体幹を傾けるのか?」の回でお話ししたように体幹を左側に傾ける(右投手)ことで腕の位置を調整してリリースしています。

 

そのため、リリースするときの指・手首の角度は体の傾き加減によって決まります。

 

回転軸を平行にするためのポイント(腕の角度について)

 

上の写真では、体の傾きが大きく、その結果、手首・指が真っすぐになっているのが分かるかと思います。

 

この角度からたたきつけるようにスピンをかけることできれいなバックスピンをかけやすくなります。

 

体の傾きが大きい投手ほどストレートが速いという研究データも出ていますので、球質以外の投球パフォーマンスにおいてもこの傾きが重要だといえます。

 

ただ、体の傾きを大きくするためには体幹の柔軟性や支えとなるステップ脚の筋力が必要になってきます。

 

これらの身体能力が備わっていないと投球時のバランスが崩れやすくなりますので注意が必要です。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

第24回~骨粗鬆症と転倒の関係③

第24回~骨粗鬆症と転倒の関係③

 

今回は「骨粗鬆症と転倒の関係③」です。

 

前回骨粗鬆症では脆弱性骨折(骨粗鬆症が原因で発症する骨折)を防ぐこと、骨折の連鎖(脆弱性骨折後に再度骨折してしまうこと)を防ぐことが重要となることをお話ししました。

 

日本での地域在宅高齢者の年間転倒発生率は10〜25%程度で、一般住民の方では一般道路や歩道が転倒の発生場所の半数を占め、日中の外出機会が多い時間帯に転倒の頻度が高いという報告があります。

 

骨粗鬆症の予防と治療のガイドラインの中で中高年者の予防に関して「自己管理による歩行運動も有効である」、「一般中高年者には、歩行を中心とした運動の日常的実施を推奨する」(グレードB)と記載されており、骨粗鬆症の予防のためには歩行が重要であることが記載されています。

 

具体的な歩行の注意点として普段よりやや歩幅を広くして、やや速足で歩くことが薦められています。

 

通常速度での歩行では運動効果が少なく、1日30〜60分、1回で歩いても良いし、2〜3回に分けても良いと言われています。

 

また週2〜7回行うことが薦められています。

 

次回も予防方法をご紹介します。

 

島根大学医学部附属病院:川本晃平

 

第23回~歩行と骨粗鬆症の関係②

第23回~歩行と骨粗鬆症の関係②

 

今回は「歩行と骨粗鬆症の関係②」です。

 

骨粗鬆症が原因で発症する骨折を脆弱性(ぜいじゃくせい)骨折といい、軽微な外力(一般的に立った高さからの転倒)で発生した骨折のことを指します。

 

骨粗鬆症では骨強度の低下に伴って骨折発生のリスクが増大すると言われています。

 

発生数が多い骨折の種類として椎体骨折(背骨の骨折)、大腿骨近位部骨折(大腿骨の付け根の骨折)、橈骨遠位端骨折(手首の骨折)、上腕骨近位部骨折(上腕骨の付け根の骨折)があり、これらは高齢者の四大骨折とも呼ばれます。

 

脆弱性骨折を受傷してしまうと再度骨折してしまうリスクが高くなってしまいます。

 

これを「骨折の連鎖」と言います。

 

さらに驚くべきことに例えば椎体骨折を一度受傷すると前腕、椎体、大腿骨近位部を骨折するリスクがそれぞれ1.4倍、4.4倍、2.3倍に高くなるとの報告もあります(Klotzbuecher CMら、2000)。

 

そのため骨粗鬆症では脆弱性骨折を防ぐこと、骨折の連鎖を防ぐことが非常に重要となります。

 

次回具体的な予防方法についてお話しします。

 

島根大学医学部附属病院:川本晃平

 

現代の子どもは骨を折りやすい?

現代の子どもは骨を折りやすい?

 

学校で教員の先生と話をする際に必ず話題に上がる「骨折」

 

本当に近年、子どもの骨折は増加しているのでしょうか?

 

現代の子どもは骨を折りやすい?

 

引用 笠次良爾:学校管理下における児童生徒のケガの特徴について

 

実際にデータを見てみると近年骨折は増加傾向にあり特に中高生で顕著であることがわかります。

 

この背景として

 

・幼児期にハイハイをする経験が少なく転んだ際に手で支える機能が備わっていない

 

・遊びの中で培う小さなケガの経験が少なく、いざという時の大きなケガを防ぐ体の使い方がわからない

 

・ジャンプなどの骨にストレスをかける運動が不足しており骨が脆弱である

 

・ダイエットによる食事制限によりそもそも骨が虚弱である

 

ことが挙げられます。

 

発達段階に見合ったハイハイや幼い頃にケガの経験を積むことで、手で体を支える方法やケガをしないような転び方を脳に蓄積し自然と実行されます。

 

また、ランニングやジャンプなど骨にストレスを与える運動をすることで骨塩量が増加し骨折を予防することができます。

 

骨折を防ぐためにも多少のケガは許容し、しっかりと子どもを遊ばせることが大切です。

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

バックスイング習得のための簡単肩関節ストレッチ

バックスイング習得のための簡単肩関節ストレッチ

 

前回、深いバックスイングを作り出すためには

 

① 胸椎
② 左肩関節
③ 左肩甲骨

 

の柔軟性が重要というお話をしました。

 

今回は自宅でも簡単に行える肩関節ストレッチをご紹介します。

 

バックスイング習得のための簡単肩関節ストレッチ

 

紹介するのはクロスボディーストレッチといわれるものですが、写真の様に横向きで行います。

 

ポイントとしては

 

・反対の手で伸ばす側の肘を下からゆっくりと持ち上げる

 

・肘を持ち上げたときに体が回らないようにするため、上側にある足を交差するように前に出す

 

・真横よりも少し斜め下の方向に寝て肩甲骨が動かないように固定する

 

以上3点に意識して行うと効果的に肩関節を伸ばすことができます。

 

肩の後ろ側が伸びていると感じる位置で最低40秒はキープしましょう。

 

40秒×4セットを目安にして毎日行うようにしましょう。

 

ストレッチは地道なトレーニングですので、継続的に行うのは非常に難しいものですが、パフォーマンス向上には欠かせない要素なので是非取り組んでいただければと思います。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

第22回~歩行と骨粗鬆症の関係①

第22回~歩行と骨粗鬆症の関係①

 

今回は「歩行と骨粗鬆症の関係①」です。

 

皆さん骨粗鬆症という言葉を一度は聞かれたことがあるかと思います。

 

骨粗鬆症というのは骨がもろくなり、骨折しやすい状態にある全身的な骨の問題です。

 

原因は2つあり、1つ目に20歳代までに獲得する最大骨量(これが生涯で最大となる骨量)が少ないことです。

 

2つ目に骨は生涯にわたって絶えず古い骨を吸収して新しい骨を作る新陳代謝を繰り返しており、このバランスが崩れ、骨を壊す方が勝ることによって骨量が減少することがあげられます。

 

このバランスが崩れる原因は主に閉経、加齢、運動不足があります。

 

骨粗鬆症の日本の患者数は1,280万人(男性約300万人、女性約980万人)と推計されています。

 

言い換えると約10人に1人の割合で骨粗鬆症の方がおられるということです。

 

「骨粗鬆症は骨の老化の問題だから仕方がない」と思われていないでしょうか?

 

多くは骨粗鬆症治療も転倒などで骨折を起こしてからやっと始めるという方が多いのが現状です。

 

ぜひ予防の観点から考えてみてください。

 

次回は「歩行と骨粗鬆症②」です。

 

島根大学医学部附属病院:川本晃平

 

第21回~フレイルと栄養について

 

今回はフレイルと栄養についてです。

 

フレイルは身体的、社会的、精神・心理的側面をもち、これらはいずれも食事摂取と相互に関与しています。

 

例えば身体機能の低下から買い物へ出るのが難しくなったり、台所で料理をするのが難しくなったり、食べることが難しくなるなどの問題が起きてくることで低栄養となりこれがフレイルにつながる原因となります。

 

フレイル予防のための栄養という面では特にタンパク質に関する報告が多くみられます。

 

摂取タンパク質量が低いことがフレイルと関連性が高いことや、タンパク質摂取量が低くなることは筋力低下と関連することなどが報告されており、66歳以上の高齢者では高タンパク質食で死亡リスクが低下していたことも報告されています。

 

手軽にタンパク質をとる手段の一例として缶詰やレトルト食品、惣菜などの加工品や保存食がおすすめです。

 

一般的には塩分が高く避けられることが多いのですが、手軽にタンパク質を取り入れることができるという利点もあります。

 

コンビニなどで売っているサラダチキンは高タンパク質で糖質、脂質も比較的低いためおすすめです。

 

次回は「歩行と骨粗鬆症の関係①」についてお話しします。

 

島根大学医学部附属病院:川本晃平

 

非行や不登校の原因は〇○不足?

非行や不登校の原因は〇○不足?

 

皆さんは母子分離不安という言葉をご存知ですか?

 

母子分離不安とは子どもが母親と離れることに強い不安を感じることで主に幼児から小学生低学年に生じます。

 

特に幼稚園・保育園入園時、小学校入学時に多く見られます。

 

人間にとって不安に思う事は自分を守るために生まれつき備わっている感情であり母子分離不安はごく自然な反応です。

 

しかし、この不安感情があまりにも強まると頭痛や吐き気、腹痛、過剰な甘え、暴力的、混乱など様々な精神的・身体的な問題が生じます。

 

普通は幼児から小学生低学年に生じる母子分離不安ですが、稀に中学生や高校生になってから生じる場合もあります。

 

この場合、多くのケースで非行や不登校になるといわれており、この一因として幼い頃の愛情不足が引き金になっているといわれています。

 

非行をする子どもの心の根底には「自分が悪いことをしたら親が守ってくれるのだろうか?」という親を試すという動機が存在する場合があります。

 

また不登校をする子どもは「親に気にかけてほしい」、「もっと自分をかまってほしい」とう気持ちが強いが故に気を引くためにそのような行動をとる場合があります。

 

いずれにせよ、幼い頃に注ぐ愛情は子どもが成長してからも大きな影響を及ぼします。

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

回転軸を平行にするためのポイント

回転軸を平行にするためのポイント

 

今回は回転軸が平行なストレートを投げるためのポイントについてお話しします。

 

回転軸を平行にするためのポイント

 

上の写真はリリースの瞬間ですが、右肩・左肩・左肘(肩-肩-肘ライン)を結んだのが青線です。

 

この肩-肩-肘ラインが一直線になるのが理想的な形といわれています。

 

しかし、肘から先を見てみると青線より少し高い位置にあります。

 

肘が完全に伸びきっていれば、肘からボールまでも青線に一致するはずですが、肘が少し曲がっているために直線よりも上方に移動しています。

 

肘が曲がっていることで手の向きが地面に対して垂直方向に傾き、ボールの回転軸が地面と平行に近づけることができます。

 

逆に、肘が伸びきった状態でリリースすると回転軸が傾いてしまい、きれいなバックスピンが効いたストレートを投げにくくなってしまいます。

 

リリースの瞬間は両肩と投げる側の肘までが一直線上にあり、肘から先は肩-肩-肘ラインよりも上方にあるのがポイントといえるでしょう。

 

リリースの瞬間を正面から撮影すると簡単に確認することができますので、是非チェックしてみてください。

 

スタッフ(理学療法士):芹田