日本とアメリカの学童スポーツの違い

日本とアメリカの学童スポーツの違い

 

日本では小学生でスポーツクラブに所属すると、その競技しか行わない傾向があるかと思います。

 

スポーツ競技が盛んなアメリカでは夏場は野球、冬場になると野球は行わずにアイスホッケーをやるといったように、小さいときは色々なスポーツを経験させて学年が上がってから専門的にスポーツを行う場合が多いようです。

 

日本のように一つのスポーツばかりを行っていると、スポーツ特有の動作を繰り返し行うことになり、体一部分への負担が大きくなり、ケガを起こしやすくなります。

 

また、最近の学童野球では大会数が増えていて体を休める暇もなく、冬場も関係なく年中試合をしている印象があります。いくら理想的な投球動作を習得したとしても投げる頻度が多ければ、オーバーユースの故障につながってしまいます。

 

使いすぎによる故障を防ぐためには投球制限などのルール改正やオフシーズンを設けるなど環境整備が必要不可欠だと思います。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

睡眠不足と成長ホルモンの関係

睡眠不足と成長ホルモンの関係

 

前回、子どもの睡眠時間が不足していることをお伝えしました。

 

では具体的に睡眠不足によってどのような影響があるのでしょうか?

 

睡眠時には脳の下垂体という部分から成長ホルモンが分泌されます。

 

この成長ホルモンの役割として

 

・骨の形成(身長を伸ばす)

・筋肉の形成(筋肉量を増やす)

・脳神経の形成(記憶力や意欲を上げる)

・細胞の修復・形成(ケガの治癒)

・脂肪代謝の促進(肥満予防)

・免疫力の維持(疫病予防)

 

など多岐にわたる役割があります。

 

幼児の場合、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)を40~60分周期で繰り返し、レム睡眠時にホルモン分泌のリズムを整え、ノンレム睡眠時に成長ホルモンを分泌します。

 

つまり、睡眠不足であれば成長ホルモンを分泌する回数が減り、成長ホルモンが不足してしまう状態になるのです。

 

このことが低身長や筋力低下、肥満、学力低下など様々な問題を引き起こす原因となるのです。

 

「寝る子は育つ」という言葉は一概に間違いではありません。

 

しっかりと睡眠時間を確保し子どもの健やかな成長を促進しましょう。

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

遠投練習が肘に加えるダメージ

遠投練習が肘に加えるダメージ

 

遠投は「肩つくり」の意味合いで昔からよく行われている練習だと思います。

 

しかし、近年では遠投することでケガをしてしまうという意見もあり、遠投練習の是非については賛否分かれるところかと思います。

 

今回は遠投練習による肘への負担がどのくらい大きいのかお話しします。

 

大学野球選手に

 

①:マウンドからの全力投球

②:55m先へ低い軌道の全力投球

➂:遠投

 

の3通りで全力投球を行ってもらい、肘にかかる負担を比較した研究があります1)。

 

投球バイオメカニクスでは肘に加わる負担は内反トルク(Nm)という数値を使うことが多く、この数値が大きいほど肘への負担が大きいと判断されます。

 

その研究結果によると

 

①:92Nm

②:95Nm

➂:100Nmでした。

 

②は①よりかなり距離が伸びている(18.44m→55m)のにも関わらず、そこまで数値は上がっていません。

 

それに比べて遠投になると肘にかかる負担がとても大きくなることがわかるかと思います。

 

このような結果になった要因としては、遠投では上向きに投げようとするため、下半身や体幹を効率よく使うことができず、上肢に頼った投げ方となり、肘にかかる負担が大きくなると考えられます。

 

遠投練習をやるのであれば、ただ遠くに投げるのではなく、低い軌道で投げられる距離に留め、股関節・骨盤などを使った正しい投球動作で行うことが重要だと思います。

 

参考文献
1)Fleisig GS et al:Biomechanical comparison of baseball pitching and long-toss: implications for training and rehabilitation. J Orthop Sports Phys Ther. 2011

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

子どもにとって理想の睡眠時間

子どもにとって理想の睡眠時間

 

前回、現代の子どもは睡眠時間が不足しているということをお伝えしました。

 

では実際、どのくらい睡眠時間をとればいいのでしょうか?

 

2015年に米国睡眠医学会が公表した年齢層ごとの理想的な睡眠時間の資料によると

 

4~12ヶ月:12~16時間(昼寝を含む)

 

1~2歳:11~14時間(昼寝を含む)

 

3~5歳:10~13時間(昼寝を含む)

 

6~12歳:9~12時間

 

13~18歳:8~10時間

 

とされており、日本の現代の子どもの睡眠時間が理想的な睡眠時間よりも明らかに劣っている事がわかります。

 

2011年に経済協力開発機構(OECD)が実施した国別の睡眠時間比較調査結果では、日本人はOECD加盟国13ヶ国中最も睡眠時間が短く、加えてMindellらの研究では3歳までの幼児の睡眠時間が17ヶ国中、日本が最も短い事がわかっています。

 

この原因として、世界的にも労働時間が長いとされる日本は親の帰宅時間が遅いため就寝時間も遅くなり必然的に子どもの寝かしつけも遅くなると言われています。

 

また他国に比べて平均睡眠時間が1時間以上短く、特に昼寝の時間が短い事がわかっています。

 

次回は睡眠不足がどのような影響を与えるかをお伝えします。

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

セミナー開催の背景

アトリ水上コラム

 

28日に私のYouTubeに関するセミナーが控えています。

ときどき次のようなご質問をいただきます。

 

「アトリは運動など理学療法士の施設なのに、なぜYouTubeなのですか?」

 

バカバカしくて答える気にならない質問、愚問だなぁと感じる瞬間です。

 

 

それぞれの専門性を地域に還元

セミナー開催の背景

運動は理学療法士

栄養は管理栄養士

とアトリでは専門性を最大限に活かしています。

 

ならば、私の専門は、と言うと、このアトリを立ち上げるまでになったビジネスモデルや収益化ではないでしょうか。

 

そもそも、理学療法士や管理栄養士で高給をもらっている人は本当に少ないように感じます。

 

病院勤務で医療報酬制度の元なので、給与には限界があります。
さらには、医療報酬改正に左右され、年々報酬が低くなってきている現実。

この先20年後を見据えた活動をしている理学療法士がどのくらいいるのか。

 


そんな理学療法士たちには大いに危機感を持ってもらい、努力を継続した者だけが生き残る。

そして、アトリのある出雲へ理学療法士が活動の場を求めてやってくる。

 

このような施設を目指す一環の流れとしてはすごく当然のセミナーかと考えます。

 


出雲から日本へ、世界へと情報発信をする仲間を一人でも増やしていければと思います。

 

セミナーの詳細は↓

8月イベントのご案内

「良くなった」と言われ思い上がる人が多い中…やはり大切なのは客観性

第6回~高齢者こそ歩行が重要

第6回~高齢者こそ歩行が重要

 

今回のテーマは「高齢者こそ歩行が重要」です。

 

年齢を重ねるほど歩行能力が体力水準や健康状態を反映すると言われています。

 

普段歩く際などに何気なく使う「体力」という言葉は実は主に「筋力」、「柔軟性」、「持久力」、「バランス能力」、「全身協調性」という5つの能力から成り立っています。

 

若い頃はこれら全体がある程度の高い値にあり、またそれぞれが独立してなりたっているためどれかが突出することも珍しくありません。

 

このような傾向はトップアスリートの中にもみかけることがありますがこういった選手は若いから活躍できるのです。

 

東京都健康長寿医療センター研究所の青栁幸利先生によると歳をとってくると、5つの能力は関連性を強め、「どれかが強く、どれかが弱い」ということがなくなり、「どれか1つが弱いということは、他の4つも弱い」という状態になってきます。

 

歩行はこれら5つの要素を含んでいることから健康状態を表していると言われています。

 

次回は「高齢者の歩く速さ」についてです。

 

島根大学医学部附属病院:川本晃平

 

サッカーの柔軟性をどう考えるか?③

サッカーの柔軟性をどう考えるか?③

 

~柔軟性とバランスの関係性について~

 

あらゆるスポーツにおいて、柔軟性についての話は誰もが聞いたことがあると思います。

 

今回は少し視点を変えて、サッカーと柔軟性について考えてみたいと思います。

 

まずは下の写真をご覧下さい。

 

どちらの選手の柔軟性が低いと思いますか?

 

直接選手を評価した訳ではないのではっきりとは言えませんが、ゴールキーパー(右側の黄色のユニフォームの選手)の柔軟性が低いと感じる方が多いと思います。

 

ここで、観察して頂きたいのは、ゴールキーパーの姿勢がどうなっているのかということです。

 

右足が左の選手のように上がらないため、姿勢を崩し、頭部を含めた身体を傾けながら上げているのがわかるかと思います。

 

このシーンの後にゴールキーパーは転倒します。

 

サッカーの場合、一つ一つのプレーの切り替えが早いのが特徴的です。

 

毎回転倒する選手が切り替えの早いプレーが行えるでしょうか??

 

恐らく難しいと思います。

 

今回お伝えしたいことは、柔軟性が低いことで試合中に身体のバランスを崩し易くなることがあるということです。

 

すなわち柔軟性バランス関係性を頭に入れて頂けると嬉しいです。

 

*フットボールチャンネルからの引用
*フットボールチャンネルからの引用

 

身体のバランスを崩し易いということは、当たり負けし易い、ケガに繋がり易いということにもなります。

 

私は、柔軟性を向上させる目的何なのかと、選手自身がしっかりと考えながら取り組んでいくことが重要になると考えております。

 

改善方法やパフォーマンスを向上させたい方は我々専門家にご相談下さい。

 

今回も最後までお読み頂きありがとうございました。

 

アスレティックトレーナー:松本康佑

 

第5回~パーキンソン病の歩き方と認知症の関係

第5回~パーキンソン病の歩き方と認知症の関係

 

今回は「パーキンソン病の歩き方と認知症の関係」についてです。

 

パーキンソン病は緩やかに進行していく神経変性疾患の一つです。

 

振戦(ふるえ)、無動(動作緩慢)、固縮(筋肉のこわばり)、姿勢反射障害(バランスがうまくとれなくなる)が四大徴候といわれていますが、認知機能障害や精神障害などもみられます。

 

パーキンソン病患者の歩き方の特徴として前かがみ姿勢、歩幅が小刻み、歩く速度が低下、腕振りの減少などがみられます。

 

また病状が進行すると足が前に出にくくなるすくみ足も出現しやすくなります。

 

パーキンソン病の歩行障害は認知症発症の危険因子とされており、またそれらは転倒や寝たきりにもつながる危険性があります。

 

しかし中には歩き方の変化を患者自身や家族が理解しておらず、老化の一つと捉えてしまい、見過ごしていることがあります。

 

パーキンソン病は早い時期に治療や予防、リハビリテーションなどを行うことで進行を遅らせることが可能です。

 

次回のテーマは「高齢者こそ歩行が重要」です。

 

島根大学医学部附属病院:川本晃平

 

ハンズアップと肩甲骨の関係性

ハンズアップと肩甲骨の関係性

 

前回は胸椎の柔軟性をチェックする方法をお話ししました。

 

今回は肩甲骨の柔軟性とハンズアップの関係性についてお話します。

 

ハンズアップはその名の通り手を上げる動作です。

 

手を上げるためには肩を動かさなくてはいけません。

 

では、肩を上げるために必要なことは何なのか。

 

1つではありませんが肩甲骨の柔軟性がとても重要になります。

 

最近よく背中が丸くなり、頸が前に出ている姿勢を見かけます。

 

このような姿勢では肩甲骨が前に傾く(前傾)ような状態になり、その状態が続くと小胸筋などの筋肉が固くなります。

 

その結果、肩甲骨の柔軟性が低下してしまいます。

 

先ほどもお伝えしましたが、手を上げるときには肩甲骨の柔軟性が重要です。

 

そのため柔軟性が低下してしまうと肩を上げる角度が小さくなってしまい、その分腰などで代償してしまいます。

 

これではケガのリスクを高めてしまうことにつながります。

 

逆に肩甲骨の柔軟性が改善すればスムーズに手を上げることができるようになります。

 

これはケガのリスクを軽減させるだけでなく、手が動きやすくなったことでパフォーマンスの向上も期待することができます

 

「背中が丸くなり、頸が前に出た姿勢」

 

このような姿勢の人は、肩甲骨に加えて前回お話しした胸椎の柔軟性が低下している場合が多いので、ぜひ一度自分の姿勢を、チームメイトの姿勢を確認してみてください。

 

スタッフ(理学療法士):島津

 

オーバースローで体を傾けることによる2つのメリット

オーバースローで体を傾けることによる2つのメリット

 

以前このコラムでオーバースローでは体幹を横に傾けることで腕を高い位置に保って投球しているということをお話ししました。

 

本日は体幹を傾けることでどのようなメリットがあるかについてお話しします。

 

オーバースローで体を傾けることによる2つのメリット

 

まず、パフォーマンスの観点からですが、スピードボールを投げる条件として重心移動をスムーズに行い、下半身の力を上半身に伝達することが挙げられます

 

そのためには左足を上げたときに右に乗っている体重(右投手)をリリースのときにはステップした左足にしっかりと乗せることが必要になります。

 

リリース直前のフェーズで体幹を傾ける(1塁側)ことができると、重心が体の左側に移動するため、ステップした左足への荷重が加わりやすくなり、その結果、下半身の力を効率よく腕の振りに伝えることが可能になります。

 

また、体幹を傾けることによって肩関節だけに頼らず、体全体を使って無理なく腕の位置を高く保つことができます

 

もし、体幹がまっすぐのままオーバースローの位置まで腕を上げようとすれば、肩関節を無理に動かさなければならず、インピンジメント症候群やSLAP損傷などの野球肩障害の発生につながる危険性があります。

 

体幹の傾きが球速増加につながる1)ことや故障リスクの軽減2)につながることは投球バイオメカニクスの研究で実証されています。

 

体幹を傾けて投げる」という観点を持たれている方はあまり多くないと思いますが、着目すべき重要なポイントだといえるでしょう。

 

参考文献
1) Oyama,S et al:Effect of excessive contralateral trunk tilt on pitching biomechanics and performance in high school baseball pitchers.Am J Sports Med.2013
2) Tocci,N.X et al:The Effect of Stride Length and Lateral Pelvic Tilt on Elbow Torque in Youth Baseball Pitchers. J Appl Biomech.2017

 

スタッフ(理学療法士):芹田