遠投練習が肘に加えるダメージ

 

遠投は「肩つくり」の意味合いで昔からよく行われている練習だと思います。

 

しかし、近年では遠投することでケガをしてしまうという意見もあり、遠投練習の是非については賛否分かれるところかと思います。

 

今回は遠投練習による肘への負担がどのくらい大きいのかお話しします。

 

大学野球選手に

 

①:マウンドからの全力投球

②:55m先へ低い軌道の全力投球

➂:遠投

 

の3通りで全力投球を行ってもらい、肘にかかる負担を比較した研究があります1)。

 

投球バイオメカニクスでは肘に加わる負担は内反トルク(Nm)という数値を使うことが多く、この数値が大きいほど肘への負担が大きいと判断されます。

 

その研究結果によると

 

①:92Nm

②:95Nm

➂:100Nmでした。

 

②は①よりかなり距離が伸びている(18.44m→55m)のにも関わらず、そこまで数値は上がっていません。

 

それに比べて遠投になると肘にかかる負担がとても大きくなることがわかるかと思います。

 

このような結果になった要因としては、遠投では上向きに投げようとするため、下半身や体幹を効率よく使うことができず、上肢に頼った投げ方となり、肘にかかる負担が大きくなると考えられます。

 

遠投練習をやるのであれば、ただ遠くに投げるのではなく、低い軌道で投げられる距離に留め、股関節・骨盤などを使った正しい投球動作で行うことが重要だと思います。

 

参考文献
1)Fleisig GS et al:Biomechanical comparison of baseball pitching and long-toss: implications for training and rehabilitation. J Orthop Sports Phys Ther. 2011

 

スタッフ(理学療法士):芹田