オーバースローで体を傾けることによる2つのメリット

 

以前このコラムでオーバースローでは体幹を横に傾けることで腕を高い位置に保って投球しているということをお話ししました。

 

本日は体幹を傾けることでどのようなメリットがあるかについてお話しします。

 

オーバースローで体を傾けることによる2つのメリット

 

まず、パフォーマンスの観点からですが、スピードボールを投げる条件として重心移動をスムーズに行い、下半身の力を上半身に伝達することが挙げられます

 

そのためには左足を上げたときに右に乗っている体重(右投手)をリリースのときにはステップした左足にしっかりと乗せることが必要になります。

 

リリース直前のフェーズで体幹を傾ける(1塁側)ことができると、重心が体の左側に移動するため、ステップした左足への荷重が加わりやすくなり、その結果、下半身の力を効率よく腕の振りに伝えることが可能になります。

 

また、体幹を傾けることによって肩関節だけに頼らず、体全体を使って無理なく腕の位置を高く保つことができます

 

もし、体幹がまっすぐのままオーバースローの位置まで腕を上げようとすれば、肩関節を無理に動かさなければならず、インピンジメント症候群やSLAP損傷などの野球肩障害の発生につながる危険性があります。

 

体幹の傾きが球速増加につながる1)ことや故障リスクの軽減2)につながることは投球バイオメカニクスの研究で実証されています。

 

体幹を傾けて投げる」という観点を持たれている方はあまり多くないと思いますが、着目すべき重要なポイントだといえるでしょう。

 

参考文献
1) Oyama,S et al:Effect of excessive contralateral trunk tilt on pitching biomechanics and performance in high school baseball pitchers.Am J Sports Med.2013
2) Tocci,N.X et al:The Effect of Stride Length and Lateral Pelvic Tilt on Elbow Torque in Youth Baseball Pitchers. J Appl Biomech.2017

 

スタッフ(理学療法士):芹田