開きの早さをチェックする上で大切なポイント

「開きが早い」フォームはなぜよくないのか その①

 

今回は「開きが早い」フォームについてお話しします。

 

「開きが早い」という言葉はよく聞かれると思いますが、開きが早いのはなぜいけないのでしょうか?

 

まず、開きが早いかそうでないかを判断するときに投球のどこのフェーズで判断するかを決めなければなりません。この基準があいまいだと、そのときによって判断するタイミングが違うことになり、フォーム分析にばらつきが出てしまいます。

 

これは、今回の話に限ったことではなく、フォームチェックをする上でとても重要なポイントです。チェックする動作があれば、判断をするフェーズを決めておき、毎回同じタイミングで動作をチェックするようにしましょう。

 

今回の「開きが早い」かどうかというポイントをみるときには、ステップする足(右投手では左足)が地面についたフェーズを切り取って開きが早いかどうか判断するのがよいと思います。

 

このフェーズでは骨盤は回転して股関節は外転・外旋位(四股踏みの動き)してリリースするための準備としてキャッチャー方向に回転しますが、体幹はまだ回転せずに三塁側(右投手の場合)を向いている必要があります。

 

もしこのフェーズで体幹が回転を始めて体がキャチャーの方向を向いていれば開きが早いといえます。

 

次回は、開きが早いフォームのデメリットについてお話しします。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

ドライバー飛距離UPに必要なのはこの筋肉!

パーソナルトレーニング_出雲市

 

飛距離をUPさせたいと思っているプレイヤーはとても多いかと思います。

 

最も飛距離に影響するのはスキル的要因ですが、スイングが安定している上級者では筋肉量も重要なファクターとなります。

 

近年の研究で数種類の筋肉の面積(cm2/m2)を計測してどの筋肉がスイングスピードと関係しているかを検討した報告1)があります。

 

その研究結果によると数種類の筋肉の中でスイングスピードと関係しているのは右半身の腹斜筋でした。

 

パーソナルトレーニング_出雲市

 

腹斜筋は外腹斜筋と内腹斜筋の二つで構成されています。

 

その中でも外腹斜筋(緑線内)はダウンスイング後半からインパクトにかけて活発に働きます。

 

スイングスピードを高めるためにはバックスイングに作り出した捻転ポジションから体幹を一気に回転させてパワーをヘッドに伝える必要があり、そのために外腹斜筋の活動が重要になります。

 

次に、外腹斜筋のトレーニング方法についてお話しします。

 

腹筋トレーニングで有名なのはおへそをのぞきこむようにして体を起こすクランチエクササイズだと思います。

 

ゴルフスイングでは体を捻転した状態から外腹斜筋を使って瞬間的に体を回転させる必要があるため、クランチよりも爆発的なパワーを発揮することができる回旋系伸張反射を利用したメディシンボール投げなどがオススメです。

 

スタッフ(理学療法士) 芹田

 

参考文献

1) 江原義智ほか:日本人男性プロゴルファーにおけるクラブヘッドスピードと体力要因との関連,日本臨床スポーツ医学会誌,2017

 

バックスイング始動で大切な2つのポイント

パーソナルトレーニング_出雲市

 

バックスイングの始動でヘッドを引いていく動作のことをテイクアウェイといいます。

ゴルフスイングはテイクアウェイから始まる一連の流れ中で行われる動作であるので、テイクアウェイで誤った動作があるとスイングは安定しません。

インパクトでフェースが開いてしまっている原因がテイクアウェイにあるというプレイヤーはとても多いです。

今回はスイングを安定させるために重要なテイクアウェイの注意点についてお話しします。

 

テイクアウェイではアドレス時の右腕・左腕・両肩を結んだラインで形成される三角形をキープしたまま身体を回転させることがポイントになります。

この三角形の例えはよくいわれることなのでご存知の方も多いかと思います。

 

パーソナルトレーニング_出雲市

 

しかし、この三角形を過剰に意識することで動作のエラーが起こりやすくなるため正しい動作で行えているかチェックが必要です。

三角形をキープしたままクラブを振り上げる意識が強すぎると両腕と上半身の偏った動作となり、股関節の動きがロックされて右足への重心移動が制限されてしまいます

それだけでなく、全身を使ったダイナミックな捻転動作を作り出すことができなくなり、手打ちやヘッドスピードが上がらないなどのパフォーマンス低下につながります。

 

パーソナルトレーニング_出雲市
パーソナルトレーニング_出雲市

 

テイクアウェイで重要なのは右足股関節の回転(内旋)を伴いながら腕をふりあげていくということです。

上の写真を見るとお尻が背中側に引けています。お尻が引けているということは股関節がしっかりと回転することができているということになります。

股関節を回転させるときの注意点についてですが、アドレス時に骨盤は前(おへそ側)に向けて傾斜(前傾)するため、その傾斜を保ったまま回転させなければなりません

股関節を回転させようとすると上体が起きやすくなり、アドレス時の骨盤の傾斜が崩れてしまいます。

この崩れは身体のブレとなり、スイングの乱れにつながってしまいます。

また、骨盤の傾斜が少なくなることで股関節の力をクラブに伝えることも難しくなり、パワーロスにつながってしまいます。

スイング動作の問題がテイクアウェイにあることはとても多いのでぜひ一度チェックしてみてください。

スタッフ(理学療法士) 芹田

 

ゴルフで捻転を作り出すのは腰ではありません!

パーソナルトレーニング_出雲市

「腰を回転させて捻転を作る」

 バックスイングのポイントとしてよく聞かれる言葉ですが、実は腰の関節に体を捻る可動域はほとんどありません

腰にある背骨(腰椎)では捻る可動域(回旋可動域)は2°〜3°しかありません。その一方で、腰椎の上に位置する胸椎の回旋可動域は約8°あります。腰椎は5つの骨が積み木状に並んで形成されていて、全ての腰椎が回旋したとしても合計で10°程度の捻転しか生むことができません。胸椎は12個あり、一つの可動域も大きいため、胸椎を回旋させることで無理なくスムーズかつ大きな捻転動作を行うことが可能になります。

逆に、胸椎をうまく動かすことができていないプレイヤーが捻転を作ろうとすると、可動域がほとんどない腰椎を無理に回旋させることになり、腰のケガにつながりやすくなります。ゴルフ選手が腰を痛めやすい原因はここにあります。

 

本来大きな回旋可動域を持つ胸椎ですが、猫背や仕事中の偏った姿勢が原因でスムーズな動きを出せなくなっているプレイヤーがとても多いです。

このような場合は大胸筋・小胸筋・鎖骨下筋などの胸についている筋肉のストレッチ、肩甲骨の柔軟性向上、腹筋のストレッチなどを行い、胸椎本来の動きを使いこなすための土台作りをした上で胸椎回旋のエクササイズに取り組む必要があります。

胸椎の動きを制限している原因は個人で全く異なりますので原因をつきとめた上でその部位に対してのトレーニングやストレッチを行わなければ、自然なスイング習得につながりません。

パフォーマンス向上&ケガの予防には体の構造に従った動きの獲得がとても重要です。

コックアップ型投法のメリットと注意点(野球)

アトリスタッフ芹田コラム

スタッフ芹田

本日はコックアップ式投法についてです。

 

コックアップ投法はファイターズの大谷投手のように、肘は伸ばしきらず、手の甲が三塁側を向いた状態(右投手の場合)から腕が上がってくるタイプです。

このタイプの投手は非常に多いと思います。

そのメリットと動作のミスパターンについてお話しします。

 

まず、メリットとしては肘が伸びきらないので、アーム式と違い、体幹と腕の距離が近くなりやすく、体幹が回転しはじめたときに腕も連動して動き、しなりの角度がでやすいといえます。

しなりの角度が深くなると、その直後のリリース時の腕を振るスピートが早くなり、スピードボールも投げやすくなるといえます。

イメージとしては、ゴムをしっかり引っ張ってから離すと勢いよくゴムが飛んでいく感じです。

 

一方で、陥りやすい動作のミスパターンもあります。

手の甲が三塁側を向いた状態から腕を上げていくときに肘だけが上がりすぎてボール側が上がってこない投手がよくいます。

腕の上げているフェーズを横から見て、下の写真のように肩よりも肘が高くなっていれば肘があがりすぎです。

このパターンでは体の回転に対して腕の上がるタイミングが遅れ、そのため急激に肘へのひねる力がかかり、肘内側側副靱帯損傷などの野球肘のリスクが大きくなります。

 

また、肩の柔軟性が必要な動作であるので、柔軟性が不足している投手がこのタイプで投げていると、トップ位置まで腕を持ってくることが難しくなります。

 

コックアップ型では腕の先(ボール側)の上がってくるタイミングが重要であるといえます。

 

個人的には、コックアップ型とアーム型どちらでもよいと思います。

選手によってスムーズと感じる動作は違います。

しかし、どちらともに陥りやすいミスパターンがあるので、その点には注意が必要だといえるでしょう。

 

 

アーム式投法のメリットと注意点(野球)

アトリスタッフ芹田コラム

スタッフ芹田

本日は前回少し触れたアーム式投法についてです。

 

アーム式投法の明確な基準はないようですが、一般的にテイクバックした腕をトップまで上げるときに、肘が伸び、手の甲が上向きの状態で動作が行われると解釈されていることが多いと思います。

現在、プロ野球・甲子園を見ていると、アーム式の投手は少ないようですが、この投法を採用している選手もいますので、その利点と欠点の一例についてお話します。

 

アーム式の利点としては、ラジオ体操の腕を横に広げるような無理のない動きであるため、肩の柔軟性が高くない選手でもスムーズに腕を上がる点だと思います。

一方で、他のフェーズでは動作の問題が起こりやすいように感じます。

例えば、トップ位置から体幹を回転させてリリースへと向かうフェーズでは、腕と体幹の距離が離れやすいため、体の回転に腕がうまくついてこない場合がよくあります。

TOPの写真は良い例で前足が着地した瞬間に肘が直角に曲がっていてこの後の体幹回転(青線)に腕がついてきやすいといえます

 

しかし、赤線のように肘が90°以上に伸びていると回転運動に腕が連動しづらくなります。

 

その結果、腕のしなり(肩関節の最大外旋角度といい、この角度が大きいほど球速が高いとわれています)が不十分になり、スピードボールを投げるのが難しくなり、その上、肩関節・肘関節への負担が大きい投球フォームになってしまいます。

 

アーム式投手では、体幹の回転運動が始まるときにボールを持っている腕が体幹に近づいているかが(目安:肘が直角に曲がっている)一つのポイントであると思います。

 

次回はコックアップ式の注意点の一例をお話しします。

 

 

個性がある投球動作(野球)

アトリスタッフ芹田コラム

スタッフ芹田

投球動作の始まりだけみても、ワインドアップ、ノーワインドアップ、ランナーがいなくてもセットポジションで投げる選手など様々です。

もう少し細かいところで腕の上げ方(コッキング)で分類できます。

肘を伸ばした状態で手の甲が上向きになりながら上がってくるいわゆるアーム式(明確な定義はないようです)と、大谷投手のように、手の甲が3塁側を向いた状態から1塁側を向くように(右投手の場合)コックアップ式があります。

 

個人的には、アーム式とコックアップ式はどちらでもよいと感じています。

ただ、どちらのタイプでも陥りやすい動作パターンがあり、それにより肩・肘を痛めやすい、パフォーマンスが上がらないという問題が出てきます。

 

選手によって、筋力、柔軟性、柔軟性、筋バランスなどが全く違うので、投球動作に個性があって当然です。

しかし、ハイパフォーマンスの投手では共通して行われている動作のポイントがあります。

例えば、「肩・肩・肘ライン」といわれるもので、リリースの写真を正面(キャッチャー側)から見て右肩-左肩-肘のラインが一直線になっているかというポイントです。

 

このように、投球動作分析では、型にはめる動作分析ではなく、選手の個性を踏まえた上で、障害予防&パフォーマンス向上に必要な動作についてご説明いたします。