ゴルフ選手に多いケガとその対処法

ゴルフ選手に多いケガとその対処法

 

今日はゴルフ選手に起こりやすいケガについてお話しします。

 

下の円グラフをご覧ください。このグラフはアマチュア150名の選手を対象に、発生しているケガの割合を部位別でまとめたグラフです。

 

ゴルフ選手に多いケガとその対処法

 

このデータによると

 

腰51%

肘23%

膝9%

 

であり、ケガの約半数が腰であることが分かります。

 

以前お話ししたJoint By Joint理論では、腰部は構造上「動きにくい」関節となります。

 

その一方で、腰部の上に位置する胸椎は本来可動性が高く、動きやすい関節です。

 

しかし、胸椎、特に肩甲骨周りは多くの筋肉があるために硬くなりやすく、可動性が損なわれやすいといえます。

 

胸椎が動きにくい状態でスイングを行うと、可動性が高くない腰椎を無理やり動かすことになり、腰部の関節や筋肉に負荷がかかり、痛みやケガにつながりやすくなります。

 

腰をケガされているプレイヤーは、胸椎周りのストレッチングを行い、胸椎中心のボディーターンを習得することで腰への負担が減る可能性があります。

 

胸椎のストレッチングについては、以前コラムで紹介していますので、ぜひ試してみてください。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

バックスイングで「右膝は動かさない」本当に正しい?

バックスイングで「右膝は動かさない」本当に正しい?

 

バックスイングでは下半身を固定するために右膝を動かさないようにとよくいわれると思います。

 

今回はその考え方が本当に正しいのかボディーターンの原理から考えてみたいと思います。

 

ボディーターンは身体の中心にある骨盤が回転することでその上にある体幹が追随するようにターンしていきます。

 

バックスイングで「右膝は動かさない」本当に正しい?

 

アドレスで骨盤が前(お腹側)に傾いた状態(緑直線)を作り、バックスイングではその前傾角度をキープしたまま骨盤が回転するのが理想的です。

 

ダウンスイングで骨盤の前傾角度が減少して体が起きた状態になると、下半身の力を効率よく上半身に伝えることができなくなってしまいます。

 

そのため、パフォーマンス向上のためには、アドレスで形成した骨盤角度をキープしたまま、ボディーターンをすることがとても重要です。

 

バックスイングで「右膝は動かさない」本当に正しい?

 

2枚目の写真をみていただくと分かるように、骨盤角度をキープしたまま、ボデイーターンを行うと床からの股関節の距離が長くなります(写真緑〇)。

 

そのため、ボデイーターンに伴う股関節の高さの変化に対応するには右膝を若干伸ばす必要があります。

 

右膝を固定したままボデイーターンを行うと股関節位置の変化に付いていくことができず、

 

・骨盤の回転が小さくなり、ボディーターンが浅くなる
・アドレスで作った骨盤前傾位が崩れてしまう
・上半身で調整しようとしまい、体幹がブレてしまう

 

などの弊害が出て飛距離が伸びない・ショットが不安定につながります。

 

右膝が伸びすぎてしまうと、下半身を固定することができなくなってしまうので、お尻回りの筋肉を使い、地面を押して右膝が若干伸びつつ、下半身を安定させることが重要だといえるでしょう。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

ストレートを多投するピッチャーはケガしやすい?

ストレートを多投するピッチャーはケガしやすい?

 

投手は速球を多投する本格派と変化球を多投してバッターを抑え込むタイプに分けられると思います。

 

ストレートを投げる割合が高いと、肘にかかる負担が大きくなり、ケガにつながりそうな気がしますが、実際どうなのでしょうか?

 

海外の研究でメジャーリーグ選手の中で肘の内側をケガして靱帯再建術を行った投手とそうでない投手に分けて試合中のストレートの割合を比較したものがあります。

 

ストレートを多投するピッチャーはケガしやすい?

 

肘の手術をした選手は手術後では比較の対象にならないので、ケガをする2年前の投球データを参考にしています。

 

研究結果としては、手術したグループではストレートの割合が約47%であり、投球の約半分がストレートでした。

 

その一方で、ケガをしていないグループのストレートの割合は39%であり、両者の間には統計的な差があったようです1)。

 

球種の中でストレートの割合が1%上がると肘のケガによる手術を行う割合が2%も上がるようです。

 

本格派投手にとってストレートは生命線なので、ストレートの割合を減らして投球スタイルを変えるのは難しいと思いますので、全身のコンディショニングを整え、できる限り肘への負担をへらすことが重要だと思います。

 

参考文献
1) Keller RA et al:Major League Baseball pitch velocity and pitch type associated with risk of ulnar collateral ligament injury. J Shoulder Elbow Surg,2016

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

縦カーブはなぜあんなに曲がる?

縦カーブはなぜあんなに曲がる?

 

フォークボールでは回転数を減らすことで重力に抵抗しにくくなり、ボールが落ちるということをお話しました。

 

今日は縦のカーブボールが落ちる原理についてお話します。

 

カーブボールではストレートと反対でトップスピンがかかっています。

 

トップスピンではマグヌス効果によって下方向への力が発生し、それに重力も合わさることで下方向へ強い力が働くことになり、急激に落ちる変化が起きます。

 

縦に割れるカーブボールで有名なのがドジャースのカーショー投手だと思いますが、この投手が投げるカーブボールの回転軸は357°というデータが出ています。

 

ほぼ純粋なトップスピンがかかっているといえ、それだけボールには下方向への力が大きく働き、縦に大きく割れることができます。

 

前回お話したフォークボールは、回転数を下げることでボールに働く揚力が小さくなり、重力の自然落下によってボールが変化します。

 

一方で、縦カーブはボールにトップスピンをかけることで重力以外にもマグヌス効果が働いてボールが下方向にストンと落ちていきます。

 

カーブボールで縦の変化を大きくするためにはスピン量が多いトップスピンをかけられるかが重要になりますが、ボールの握り方は選手によって違うため、スピンの掛け方はそれぞれ異なるといえます。

 

個人的には中指を縫い目にかけてはじくようにしてリリースすると、トップスピンがかかりやすくなりますので参考にしてみてください。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

フォークボールが落ちる原理と簡単アドバイス

フォークボールが落ちる原理と簡単アドバイス

 

今日はフォークボールが落ちる原理と投げるための簡単なアドバイスについてお話しいたします。

 

以前「ボールがホップする?マグヌス効果について」でお話したようにボールにバックスピンがかかると圧力差によって揚力が生じ、ボールに浮き上がる力が加わります。

 

一方、フォークボールはボールを挟んで投げることにより、ボールの回転数が著しく減少します。

 

ストレートが1秒間に30回転ほどするのに対してフォークボールは10回程度しか回転していないそうです。

 

回転数が少ないことによってボールに揚力が生じにくく、ボールが重力に抵抗することができずに自然に落下していきます。

 

質の高いフォークボールを投げるためにはいかに球速を下げずに回転数を抑えた投球をできるかがポイントになります。

 

フォークボールが落ちる原理と簡単アドバイス

 

リリース直前に手首や指が動いてしまうとボールに回転がかかってしまうので、手首・指を固めて投げる必要があります。

 

手指の力をボールに伝えられない分、より股関節・体幹・腕の連動性が求められます。

 

肘下がりのリリースでは肘から先の部位しか使うことができず、球速を保つことができません。

 

手指を固めた状態で球速を落とさずリリースするためには、体全体がしなり(横から見てCカーブを形成した位置)から肘より先が伸びてくるリリースが必要となります。

 

この体の使い方はフォークボールに限らず、ハイパフォーマンスを発揮するために必須の動作となりますので、ぜひチェックしてみてください。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

バックスイング習得のための簡単肩甲骨ストレッチ

バックスイング習得のための簡単肩甲骨ストレッチ

 

今回はストレッチ第2弾で肩甲骨の柔軟性を高めるストレッチをご紹介します。

 

バックスイング習得のための簡単肩甲骨ストレッチ

 

まず、四つばいになります。

 

次に、伸ばす反対側の腕を前(写真左手)につきます。

 

そして、伸ばす側の手を体の下にくぐらせる(写真右手)ようにしてなるべく遠くまで入れていきます。

 

下向きではなく、体を捻るように動かすようにしましょう。

 

ポイントは、腕だけを動かすのではなく、肩甲骨からくぐらせるということです。

 

肩甲骨を床に着けるイメージで行うと、肩甲骨周りの筋肉を効率よく伸ばすことができます。

 

肩甲骨周りが伸びていると感じる位置で30秒止めるようにしましょう。

 

注意点として腰痛がある方は無理せず、様子をみながら行うようにしてください。

 

30秒3セット行ってからスイングすると、今までよりも楽にバックスイングをとれるようになりますのでぜひ試してみてください。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

回転軸を平行にするためのポイント(腕の角度について)

回転軸を平行にするためのポイント(腕の角度について)

 

前回に引き続いてボールの回転軸を地面と平行にするためにどうすればいいのかお話ししますが、今回は腕の角度に注目したいと思います。

 

以前「オーバースローではなぜ体幹を傾けるのか?」の回でお話ししたように体幹を左側に傾ける(右投手)ことで腕の位置を調整してリリースしています。

 

そのため、リリースするときの指・手首の角度は体の傾き加減によって決まります。

 

回転軸を平行にするためのポイント(腕の角度について)

 

上の写真では、体の傾きが大きく、その結果、手首・指が真っすぐになっているのが分かるかと思います。

 

この角度からたたきつけるようにスピンをかけることできれいなバックスピンをかけやすくなります。

 

体の傾きが大きい投手ほどストレートが速いという研究データも出ていますので、球質以外の投球パフォーマンスにおいてもこの傾きが重要だといえます。

 

ただ、体の傾きを大きくするためには体幹の柔軟性や支えとなるステップ脚の筋力が必要になってきます。

 

これらの身体能力が備わっていないと投球時のバランスが崩れやすくなりますので注意が必要です。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

バックスイング習得のための簡単肩関節ストレッチ

バックスイング習得のための簡単肩関節ストレッチ

 

前回、深いバックスイングを作り出すためには

 

① 胸椎
② 左肩関節
③ 左肩甲骨

 

の柔軟性が重要というお話をしました。

 

今回は自宅でも簡単に行える肩関節ストレッチをご紹介します。

 

バックスイング習得のための簡単肩関節ストレッチ

 

紹介するのはクロスボディーストレッチといわれるものですが、写真の様に横向きで行います。

 

ポイントとしては

 

・反対の手で伸ばす側の肘を下からゆっくりと持ち上げる

 

・肘を持ち上げたときに体が回らないようにするため、上側にある足を交差するように前に出す

 

・真横よりも少し斜め下の方向に寝て肩甲骨が動かないように固定する

 

以上3点に意識して行うと効果的に肩関節を伸ばすことができます。

 

肩の後ろ側が伸びていると感じる位置で最低40秒はキープしましょう。

 

40秒×4セットを目安にして毎日行うようにしましょう。

 

ストレッチは地道なトレーニングですので、継続的に行うのは非常に難しいものですが、パフォーマンス向上には欠かせない要素なので是非取り組んでいただければと思います。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

回転軸を平行にするためのポイント

回転軸を平行にするためのポイント

 

今回は回転軸が平行なストレートを投げるためのポイントについてお話しします。

 

回転軸を平行にするためのポイント

 

上の写真はリリースの瞬間ですが、右肩・左肩・左肘(肩-肩-肘ライン)を結んだのが青線です。

 

この肩-肩-肘ラインが一直線になるのが理想的な形といわれています。

 

しかし、肘から先を見てみると青線より少し高い位置にあります。

 

肘が完全に伸びきっていれば、肘からボールまでも青線に一致するはずですが、肘が少し曲がっているために直線よりも上方に移動しています。

 

肘が曲がっていることで手の向きが地面に対して垂直方向に傾き、ボールの回転軸が地面と平行に近づけることができます。

 

逆に、肘が伸びきった状態でリリースすると回転軸が傾いてしまい、きれいなバックスピンが効いたストレートを投げにくくなってしまいます。

 

リリースの瞬間は両肩と投げる側の肘までが一直線上にあり、肘から先は肩-肩-肘ラインよりも上方にあるのがポイントといえるでしょう。

 

リリースの瞬間を正面から撮影すると簡単に確認することができますので、是非チェックしてみてください。

 

スタッフ(理学療法士):芹田

 

上半身捻転のポイントは胸椎+〇〇

上半身捻転のポイントは胸椎+〇〇

 

前回、美しいボディーターンをするためには胸椎と股関節の使いこなしが重要であるというお話ししました。

 

今回はバックスイングの上半身に着目してもう少し細かい動きについてお話したいと思います。

 

上半身捻転のポイントは胸椎+〇〇

 

上の写真はバックスイングの写真ですが、ターンの軸となるのが一番下の赤〇で囲ってある胸椎です。

 

前回お話したJointByJoint理論でいうと可動範囲が大きい関節で動くべき関節です。

 

ただ、胸椎が柔軟に動けばボディーターンが必ずうまくいくわけではありません。

 

クラブを振り回すのは腕であるので、腕についている左の肩関節・肩甲骨の可動性も重要です。

 

上半身捻転のポイントは胸椎+〇〇

 

次回はこれらの関節を簡単に柔らかくすることができるストレッチのやり方とポイントをご紹介いたします。

 

スタッフ(理学療法士):芹田