子どもの運動発達 「跳ぶ動作」

子どもの運動発達 「跳ぶ動作」

 

今回は「跳ぶ」動作についてお伝えします。

 

子どもの運動発達 「跳ぶ動作」

 

引用:観察的評価法による幼児の基本的動作様式の発達

 

上の図は「跳ぶ動作」を発達の段階に応じてパターン1からパターン5まで示したものです。

 

パターン1は

 

・両腕の振りがない、もしくは後方へ腕を振る

 

・踏み切り・着地を片足で行い両足がそろわない

 

・踏み切り時に体が直立したままで前傾がない、もしくはやや前傾する

 

という特徴があります。

 

パターン2は

 

・両腕を引き上げ肩をすくめる

 

・踏み切り・着地を片足で行い両足がそろわない、もしくは踏み切り前に下肢を曲げるが十分に伸ばして踏み切れない

 

・踏み切り時にからだがやや前傾する

 

という特徴があります。

 

パターン3は

 

・肘が軽く曲がる程度に両腕をわずかに前方へ振る

 

・踏み切り前に下肢を曲げるが十分に伸ばして踏み切れない

 

・踏み切り時にからだがやや前傾する

 

という特徴があります。

 

パターン4は

 

・肘を伸ばしながら両腕を前方に振る

 

・踏み切り前に下肢を曲げるが十分に伸ばして踏み切れない、もしくは踏み切り時に膝を十分に伸ばす

 

・踏み切り時にからだがやや前傾する、もしくは十分に前傾させる

 

という特徴があります。

 

パターン5は

 

・バックスイングを伴い両腕を前方へ大きく振る

 

・踏み切り時に膝を十分に伸ばす

 

・踏み切り時にからだを十分に前傾させる

 

という特徴があります。

 

初期段階では腕振り、下肢の曲げ、体の前傾が小さくパワーを溜める事が困難です。

 

そこから徐々に下肢の曲がり、体の前傾が大きくなりますが、腕振りが動きに同期しないため十分なパワーを発揮できません。

 

最終的には溜めの動作と腕振りが同期しダイナミックな動作になります。

 

参考文献
中村ら:観察的評価法による幼児の基本的動作様式の発達,2011

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

子どもの運動発達 「走る動作」

子どもの運動発達 「走る動作」

 

今回から子どもの7つの動作の発達についてお伝えします。

 

まずは「走る動作」についてお伝えします。

 

子どもの運動発達 「走る動作」

 

引用:観察的評価法による幼児の基本的動作様式の発達

 

上の図は「走る動作」を発達の段階に応じてパターン1からパターン5まで示したものです。

 

発達が未熟なパターン1は

 

・腕の振りがない

 

・足の裏全体で接地する

 

・上方向へ蹴り出す

 

・足の蹴り上げがほとんどない

 

・太ももの引き上げない

 

という特徴があります。

 

パターン2は

 

・腕の振りがわずかに生じる

 

・足の裏もしくは踵から接地する

 

・上方向もしくは前方へ蹴り出すが膝が十分に伸びない

 

・小さな足の蹴り上げがある

 

・ふともも引き上げがないもしくはわずかにある

 

という特徴があります。

 

パターン3は

 

ふとももの引き上げに繋がる十分な足の蹴り上げがある

 

という特徴があります。

 

パターン4は

 

肘が十分に曲がった大きな腕振りがある

 

という特徴があります。

 

パターン5は

 

・足の裏の外側から接地する

 

・膝が伸び前方へ蹴り出す

 

・地面とほぼ水平までの太ももの引き上げがある

 

という特徴があります。

 

発達が未熟な時はバランス能力が未熟なため、体を1つの塊として移動させるので手足の動きが生じません。

 

そこから徐々に手足の動きが生じ、上方向への蹴り出しから前方への蹴り出しへと移行します。

 

参考文献
中村ら:観察的評価法による幼児の基本的動作様式の発達,2011

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

現代の子どもは骨を折りやすい?

現代の子どもは骨を折りやすい?

 

学校で教員の先生と話をする際に必ず話題に上がる「骨折」

 

本当に近年、子どもの骨折は増加しているのでしょうか?

 

現代の子どもは骨を折りやすい?

 

引用 笠次良爾:学校管理下における児童生徒のケガの特徴について

 

実際にデータを見てみると近年骨折は増加傾向にあり特に中高生で顕著であることがわかります。

 

この背景として

 

・幼児期にハイハイをする経験が少なく転んだ際に手で支える機能が備わっていない

 

・遊びの中で培う小さなケガの経験が少なく、いざという時の大きなケガを防ぐ体の使い方がわからない

 

・ジャンプなどの骨にストレスをかける運動が不足しており骨が脆弱である

 

・ダイエットによる食事制限によりそもそも骨が虚弱である

 

ことが挙げられます。

 

発達段階に見合ったハイハイや幼い頃にケガの経験を積むことで、手で体を支える方法やケガをしないような転び方を脳に蓄積し自然と実行されます。

 

また、ランニングやジャンプなど骨にストレスを与える運動をすることで骨塩量が増加し骨折を予防することができます。

 

骨折を防ぐためにも多少のケガは許容し、しっかりと子どもを遊ばせることが大切です。

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

非行や不登校の原因は〇○不足?

非行や不登校の原因は〇○不足?

 

皆さんは母子分離不安という言葉をご存知ですか?

 

母子分離不安とは子どもが母親と離れることに強い不安を感じることで主に幼児から小学生低学年に生じます。

 

特に幼稚園・保育園入園時、小学校入学時に多く見られます。

 

人間にとって不安に思う事は自分を守るために生まれつき備わっている感情であり母子分離不安はごく自然な反応です。

 

しかし、この不安感情があまりにも強まると頭痛や吐き気、腹痛、過剰な甘え、暴力的、混乱など様々な精神的・身体的な問題が生じます。

 

普通は幼児から小学生低学年に生じる母子分離不安ですが、稀に中学生や高校生になってから生じる場合もあります。

 

この場合、多くのケースで非行や不登校になるといわれており、この一因として幼い頃の愛情不足が引き金になっているといわれています。

 

非行をする子どもの心の根底には「自分が悪いことをしたら親が守ってくれるのだろうか?」という親を試すという動機が存在する場合があります。

 

また不登校をする子どもは「親に気にかけてほしい」、「もっと自分をかまってほしい」とう気持ちが強いが故に気を引くためにそのような行動をとる場合があります。

 

いずれにせよ、幼い頃に注ぐ愛情は子どもが成長してからも大きな影響を及ぼします。

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

お絵描きにあらわれる子どもの心

お絵描きにあらわれる子どもの心

 

皆さんは子どものお絵描きを注目して見られたことがありますか?

 

お絵描きをする際には感情を司る右脳が働くので、その時の心理状態が描いた絵に映しだされるといわれています。

 

今回は子どもがお絵描きに使う色と心理状態の関係についてお伝えしようと思います。

 

ピンク:幸福感に満たされ幸せな気分のときによく使用します。

 

黄色:楽しい気分のときによく使用します。一方、かまってほしい時や愛されたい想いが強いときのも使用します。

 

白:正義感が強い子どもや完璧主義で神経質な子どもが使用することが多いです。また、自信を失っている時によく使用します。

 

緑:マイペースな子どもやおだやかな子どもが使用することが多いです。一方、疲れている時にも使用する傾向があります。

 

水色:素直な子どもが使用することが多いです。また、さみしい時にも使用します。

 

青:集中力がある子どもや、自立心の高い子どもが使用することが多いです。また、落ち込んでいるとき、眠たいときにも使用します。

 

紫:体調が優れないとき、気持ちが疲れている時に使用することが多いです。

 

赤:好奇心旺盛な子どもや活発的な子どもが使用することが多いです。一方、強いストレスを抱えているときは黒と一緒に使用します。

 

黒:強いストレスや恐怖を感じているときに使用することが多いです。特にグチャグチャに塗りつぶすような絵を描いたときは要注意です。

 

いかがでしたでしょうか?

 

子どもが描く絵を注目し心理状態を汲み取ることで、より良い関わりにつながるかもしれません。

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

人間の心の発達(青年前期・後期)

人間の心の発達(青年前期・後期)

 

前回、心の発達について乳幼児期~学童期(高学年)についてお伝えしました。

 

今回はそれ以降の青年前期・後期の心の発達についてお伝えします。

 

青年前期(中学生)は自分の意志と客観的な意見や事実とのギャップに悩み、いろいろと葛藤をする時期です。

 

また親とのコミュニケーション避けたり暴言を吐くなど反抗期を迎える時期でもあります。

 

一方、友人関係では自分の存在価値を強く意識するあまり、対人に対するコミュニケーションが消極的になる子どももいます。

 

この時期の問題は不登校や引きこもりになる子どもが大幅に増えることであり、この原因の1つに愛情不足があります。

 

母親と離れると不安になり精神的・肉体的な問題を起こす状態を「母子分離不安」といい、通常、幼稚園、保育園~小学校低学年までに生じます。

 

しかし、幼い頃に十分な愛情を受けていないと成長してからこのような状態が生じ不登校や引きこもりになるといわれています。

 

このような行動をとる背景として「もっと自分をかまってほしい」という願望があるともいわれています。

 

青年後期(高校生)は自立した大人になるための移行時期であり、今後の自分の生き方を真剣に考える時期です。

 

しかし、現代の子どもは自分の将来について楽観的に考える者が多く、また、自分と仲の良い人以外と関わりを持とうとしない、社会に対する意識・関心が低いことが問題視されています。

 

この背景として、社会の発展に伴い電子機器が普及したため、すぐに手元で解決できる、コミュニケーションも直接話すのではなく携帯のツールを用いるなど自ら手間を惜しんで行動に移す機会が少なっている現代社会の弊害ともいわれています。

 

まずは小さいころからスキンシップをとって愛情を注ぐこと、そして成長してからも子どもと向き合うことが大切です。

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

人間の心の発達

人間の心の発達

 

ヒトには運動の発達があるように心にも発達があります。

 

それを理解することによって、子どもによりよい関わりを持つことができます。

 

今回は乳幼児期から学童期までの発達をお伝えします。

 

乳幼児期は母親や父親など、その子どもを見守る周囲の大人との関わりの中で愛されることを理解し人との信頼感を育む時期です。

 

信頼感が生まれることで周囲の人へ手を笑いかけたり、手を差し伸べるなど自己表現をするとともに行動範囲も広げていきます。

 

幼児期になると他者との交流が増え、親以外の大人との関わりが増えたり、子ども同士で遊ぶようになり、道徳性や社会性の基盤が育まれる時期になります。

 

他者と関わることで、相手の気持ちを考えたり、自分の意志を伝えるために表現を考えるなど他者との協働を学びます。

 

学童期(低学年)は本格的に集団生活が始まり言語能力や認知能力が育くまれ、善悪の理解と判断ができるようになります。

 

しかし、乳幼児期・幼児期に虐待や育児放棄により十分な愛情を与えられなかったり、他者との交流が少なかった子どもは道徳性・社会性の基盤が形成されていないので、他者と十分にコミュニケーションをとれず集団生活になじむことができないという問題が生じます。

 

学童期(高学年)は他者との距離感を考えたり、1つの事象に対してより深く考えるようになるとともに自己肯定感を持ち始める時期です。

 

この時期の子どもは身体の成長に個人差があることから、自分に自信が持てない子どもは劣等感を持ちやすい時期でもあります。

 

次回は青年前期・後期の心の発達の特徴についてお伝えします。

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

子どもとのスキンシップで〇○が増す

子どもとのスキンシップで〇○が増す

 

子どもとスキンシップをとることで親と子どもの間に信頼関係が生まれます。

 

その理由として「オキシトシン」というホルモンが深く関わっています。

 

オキシトシンは別名「幸せホルモン」、「抱擁ホルモン」、「愛情ホルモン」、「信頼ホルモン」、「絆ホルモン」、「思いやりホルモン」など様々な呼び名があります。

 

読んで字のごとく、このホルモンはスキンシップが関係していることがわかりますよね。

 

従来、分娩時の子宮収縮や乳汁分泌を促す女性特有の機能に必須なホルモンとして理解されていましたが、様々な研究により男性にも普遍的に存在し乳幼児にも分泌されることがわかりました。

 

近年では、筑波大学の永澤らが「ヒトとイヌの絆の形成」について論文発表を行い、ヒトとイヌが見つめ合う、触れ合う事で両者のオキシトシン分泌が増加し信頼関係を深める要因であることがわかり海外でも注目を浴びました。

 

オキシトシンの効果として単に信頼関係を生むだけではなく、

 

ストレスの緩和

 

社交性の向上

 

学習意欲の向上

 

記憶力向上

 

免疫力向上

 

など様々な効能があります。

 

このオキシトシンを効率良く分泌するためには、ただ一緒に遊ぶだけでなく、目と目を合わせることや、肌と肌が触れ合うように工夫する必要があります。

 

「いないいないばー」や「あっぷっぷ」は子どもと目を合わせる遊びに適していますし

 

「コチョコチョ」や「高い高い」は子どもと直接触れ合う遊びに適しています。

 

また、子どもが抱っこを求めてきた場合には手をとめてすぐに受け入れることや、褒める・慰める時には抱きしめる、頭をなでるなど、これらは時間を特別とらずに日常的にできるので有効です。

 

子どもとスキンシップをとって信頼関係を作りましょう。

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

日本の子どもの自己肯定感

日本の子どもの自己肯定感

 

自己肯定感とは自分の長所も短所も含めて自分を認めることができるポジティブな感情です。

 

「自分には存在価値がある」「誰かに必要とされている」「やればできる」など、前向きな気持ちで自分を信じ、何事にも挑戦することができる心の土台となります。

 

その自己肯定感が現代の日本の子どもは低下しているといわれています。

 

実際に「子ども・若者白書」の調査結果では

 

「自分自信に満足している」 日本45% 諸外国79%

 

「自分には長所がある」 日本68% 諸外国86%

 

「将来への希望がある」 日本61% 諸外国87%

 

と日本の子どもの自己肯定感が諸外国に比べて低いことがわかっています。

 

この背景の要因として「親の愛情」があります。

 

子どもの自己肯定感の土台は0~6歳の間に構築され、この間に親が子どもにいかに愛情を注げるかがポイントです。

 

ネガティブな言葉で子どもと接したり、否定や虐待を受けた子どもは自分の存在価値が見いだせなくなり自己肯定感が低くなります。

 

そのような環境で育つと、劣等感が強い、他人との関わりが苦手、自分の意見を言えない、すぐに飽きらめるなどネガティブ要素の強い子どもに育ってしまいます。

 

現代の日本は核家族、共働きで大人が子どもと接する時間が少ないのが現状です。

 

次回は少ない時間の中で自己肯定感を高めるためにどのような接し方をすればいいのかをお伝えします。

 

スタッフ(理学療法士):妹尾

 

親の愛情が子どもの脳に与える影響

親の愛情が子どもの脳に与える影響

 

これまで子どもの発達について運動や生活習慣の観点からお伝えしてきました。

 

今回からは親の愛情がどのような影響を及ぼすかについてお伝えしようと思います。

 

親の子どもに対する愛情表現として抱きしめる、キスをする、頭をなでる、手をつなぐなど様々な表現方法があります。

 

また、子どもがチャレンジし成功したときは褒める

 

失敗したときはなぐさめ、同じ失敗を繰り返さないように一緒に解決策を考える

 

イタズラやウソをついた時には放任せずに叱る

 

といった事も愛情表現の1つです。

 

これらの親からの愛情が欠けている子どもにはどのような影響があるのでしょうか?

 

ハーバード大学のJack Shonkoffによると、0~3歳に時期に脳のシナプス(神経の情報を伝達する部分)形成の80%が完成し、この形成に最も貢献しているのが親との愛情交流だと提言しています。

 

また、親の愛情が子どもの脳に与える影響についてMRI比較をしたワシントン医科大学のJoan Lubyの研究によると

 

普段から親の愛情を感じていない子どもは、そうでない子どもに比べ約10%ほど海馬(記憶や空間学習能力を司る部分)が小さかったと報告しており、

 

親の愛情は子どもの脳の発達に深く関与していることがわかっています。

 

次回は親の愛情と子どもの心についてお伝えします。

 

スタッフ(理学療法士):妹尾